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2012-02-05

米長永世棋聖vsボンクラーズ 棋戦

今さらながら、将棋の「人間vsコンピューター」米長永世棋聖 対 ボンクラーズの対局をみました。
もちろん見る前から結果は知っていて、「人間とコンピューターとのガチンコ対決」にコンピュータが勝利した、ということだと思っていました。が…

序盤から米長永世棋聖の作戦は徹底していて、「安易な開戦を絶対しない」というもので、完全に「まともにやったら読み負ける」ということを前提として戦っていましたね。
つまり、相手の強さをまず認め、その上でコンピュータの癖を見抜き、勝つためにどうしたらよいかをひねり出していた。もうそこまで強いんだ…という感想です。
(事前に研究用のソフトと150局程度対局しており、「30秒将棋では10連敗、1分将棋で勝率1割、持ち時間3時間将棋で1勝2敗だった」とのこと)


一秒間に1800万手を読む圧倒的な演算能力は、絶対に打ち間違えず、また、勝利の確率が高まるならば、プロなら恥ずかしくてできない「コマがウロウロする」ということも、機械的に無感情に指せる。
何百年の将棋の発展を伝える棋譜を利用して最善手を読む5台の並列コンピュータに、そりゃあアナタ、脳ミソ一個で勝てるわけないっしょ、しょうがないよ、うん。

将棋も有限の選択の連続である以上、いつかはコンピュータに負けることはわかりきっているのですが、引退したとはいえ元トッププロの米長永世棋聖の終盤の劣勢、コンピュータの無慈悲な攻めには正直「見ていられない」という気持ちになりました。

ただ、米長会長、悔しさはあると思いますが、当初からコンピュータ将棋の発展にかなり尽力されていたようですね。
「ただただコンピュータに負けてはいけない」という頑なな考えではなく、「最善手を見つけたい」「真理を探求したい」という考えでコンピュータの発展を応援してきた姿をみて、ほんとうに将棋を愛していらっしゃることが伝わってきた。


来年の電王戦は、5人のプロ棋士が5種類のコンピュータと同時に対戦するそうです。

「車が人間より速いからといって、マラソンの感動が失われることはない」とは米長会長の会見の言葉でしたが、まだ車と人までの差はないはず。
来年がまた楽しみです。

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