岐阜で住宅の設計をしている事務所です。

2015-05-25

音楽と日と。-映画「セッション」、ライブ「people in the box」-

■高校の頃、大学生の間は、音楽が常に身の回りにあった。
バンドでドラムをメインでやって、ギターやボーカルもやったかな。
音楽サークルに入ったり、ジャズ研に顔を出したりしていたし、特に中の良かった友達がバークリー音楽院でギターを学んだりしていて、刺激的な日々を送っていた。


仕事をして結婚をし、子供ができるようになると、音楽に包まれているという状態、浸っているという状態は殆どなくなってしまった。
音楽も聞くし、歌も歌うし、それなりにハマったりするが、あの感覚はもうしばらく無い。


そんな中、昨日は久しぶりにその時の空気を思い出した。


■午前中は、前から気になっていた映画「セッション」を見た。
偉大なドラマーになることを目標に音楽学校で学ぶ主人公と、高い志を持ったスパルタ教師とのやりとり。いろいろな場外の意見がありますが、普通に楽しめました。


内容と関係無いのすが、特に印象的だったのは、

・本編が終わってエンドロールが終わっても、観客が誰一人立ち上がらなかったこと。

エンドロールの画面をぼーっと見ながら、後ろで流れる音楽を全員が聴いていたこと。

おそらく、映画を見るうちに、そしてラストの終わり方なども含めてそこにいる全員が
「音楽を聴く状態になっていた」んだと思います。
普段だったらBGMとして聞き流すようなジャズのスタンダード曲の音を、みんなが聴いていたのがとても印象的でした。


生徒と教師。凶器、狂気、復習、狂気、復讐、狂気、復讐、驚喜

■音楽を能動的に聴き、包まれる状態になってから、夕方は大好きなバンド「people in the box」のライブに行ってきました。

いつも楽しんで聞いて、その日も素晴らしかったのですが、途中のゆっくりした曲などにぼーっとしてしまう状態に。
よくわからないんだけど、意識が少し俯瞰して、音楽を聞きながらやたらと昔のことを思い出す。
音楽をやっていた頃の小さなエピソードとか。

で、ハっとすると音楽に包まれている。かつて感じて、そうだった状態。


一晩寝ると、いつもの日常になってしまう。残念!

(ちなみに夜行った小料理屋で頂いた日本酒の地酒も、大学の頃によく飲んだいたお酒に味が似ているというおまけ付きだった。)

ライブ会場 岐阜ants。初めて行った。
思いのほか、バーの飲み物が美味しいことに驚く。

2015-05-20

外構打合せ等

名古屋市北区の住宅もいよいよ進んできました。
建具家具も取り付き、キッチンももうすぐ搬入。

外壁も下塗りが終わり、今週末から仕上の塗りです。

今日は外構の打合せ。
お施主様を交えた打合せも最後になりそうです。


造園は、ジャルダンシェフの宮川さんにお願いすることに。
全体的にローコストで進んでいるため、植栽は一本だけという、かなり申し訳ない感じですが、快く引き受けていただけました。

6月末完成予定で順調に進んでいます。



そして、お昼ごはんをごちそうになる。
いつもありがとうございます。

リビングから子供室
中央部分に造作キッチンが据えられます
子供室からリビング。子供部屋は仕切れるように梁が通っています
ごちそうさまです!赤身丼。珍しく肉を頂きました

2015-05-18

浜松市幸町の住宅、設計契約

浜松市の住宅建替えの計画ですが、建てるべき家の規模や用途、予算などを慎重に検討しながら、大体の方向が見えてきました。

紆余曲折を経て設計契約を結ばせていただました。

これから実施設計へ。

まだまだクリアしなければいけない課題は多いですが、やっと設計に入れる!という喜びが大きいです。

いざ!


基本ベースは平屋+一部二階。暖炉のある家です

2015-05-17

GW旅行 二日目、三日目 京都 

時間が開いてしまいましたが…

■GW二日目は、美山町から京都市内へ移動。

・自家用車での移動ですが、想像以上に峠越え。
車一台が通れるだけの山道がずーっと続き、そこで何台もの車とすれ違う必要があるため、かなり疲れた!

とりあえず対向車とぶつかると、こっちが戻るのか?向こうが戻るのか?という問答が始まる。
県外ナンバーなので、旅行者と即バレる。
いつ対向車と鉢合わせるか、という緊張感。


が、そのやりとりも慣れてくると若干楽しくなってくるという不思議。


・無事に京都に入り、北大路のホテルへ直行。
特に何をするでもなく、近場の今宮神社で散歩し「あぶり餅」をたべ比べる。
あまり甘くない「一和」のほうが好みかな。


・そして妻がまだ行ったことがないという金閣寺へ。
私自身も修学旅行ぶりであったが、感想は「禅寺らしくない!」という素人っぽいもの。
各層で様式をかえたりなど建築的にはいろいろあるのだろうが、そして極楽浄土を再現したものなのだろうが、禅寺のイメージ=質素 だったので なんだかしっくりこない


あぶりもち。服のボーダーが完全にカブるという失態。

■GW三日目は

・東京に住む幼なじみ家族が京都に来るということで、タイミングを合わせて午後から会うことに。
まだお互いに行ったことがないところを目的地にしよう、とのことで、伏見稲荷を後に回し、
午前は三十三間堂、国立博物館 平成知新館を見学。


平成知新館は谷口吉生さんの設計です。あいかわらず美しいディテールと、それを成し遂げる施工技術の高さに驚く。
また、既存の建造物との距離感が非常に近いため、建ち方が非常にムズカシイかったと思われます。

・合流後、伏見稲荷へ。
連続する鳥居は圧巻。
そもそも鳥居と言うもの自体、一つあるだけでなぜか強烈な仕切りとして機能しますよね。
鳥居の向こうとこっちは同じはずなのに、段差も無いのに、なぜか仕切られる。

それが連続するとどうなるのか?というのが見る前の感想でした。

実際目にすると、鳥居の印象はもう無くて、光の落ちるトンネル。日差しがしっかりあったため、鳥居の陰と日差しを交互にスイッチしながら周りの観光客がすすんでいくため、ちょっと良くわからない感覚になった。
色も赤いし、トリップしたような変な感じ。観光客が一人も居ない時に来たいけど、無理だよね。
国立博物館 平成知新館
三十三間堂からのアプローチと正門からのアプローチで印象が変わる。
かなり大きな製薬の中で設計されていることに気づく。
鳥居をくぐる。
寺社仏閣にはよく行くんだけど、いつもとちがい、
子供が狂ったようにガラガラをする
そして拝む、拝む、拝む!
数分間にわたって繰り返していた。

2015-05-07

GW旅行1日目後半 茅葺きの里、茅葺きの宿  

GW初日、後半は遅れていたもう一家族と合流し、宿泊先へ。


美山町は、築150年以上の古い茅葺きの住宅群が残っており、重要伝統的構造物群保存地区に指定されているとのこと。
民族資料館などで実際に見学できるようになっています。

が、なんとそこに泊まれる、そして囲炉裏で料理ができる場所があるとのことで、毎年恒例となっている同窓会(?)は、ここ、美山町に決まりました。

(他に、禅寺の宿泊施設で座禅を組むという案もでるものの、却下。精進が足りない!)


チェックインまで時間があったため「茅葺きの里」を見学。
資料館に入る。上部の視線を切って開口を絞る方法はよくありますが、
空間自体の天井は高いが、茅葺屋根の軒先で視線を切る。
軒裏の茅がそのまま意匠になるのがいいですね。
FLから1400mm程度まで切られていますが、軒が深く出るため圧迫感は無い

「FUTON&BREAKFAST」の本館に到着。
HPがあるにも関わらず私自身が事前にあまり調べていなかったせいなのですが、想像していたものより何倍も素晴らしくてビックリ。え、本当にここに泊まってイイの?


宿泊先の前に資料館を見学していたのですが、そちらはバリバリの農家。
牛小屋やたたきの土間に竈があり、トイレも板をくりぬいて下に落とすタイプで非常に興味深かったのですが、泊まるには結構ハード。「このままで、ひ弱な現代人が宿泊できるのか?」と若干心配もしましたが、杞憂でしたね。

トイレはウォッシュレット。ワークスペースの広い現代的なキッチンが備え付けられており、センスよくまとめられた調度品が気持ちいい。
光の絞られた伝統的な日本の建築空間を残しながら、陰気にならないような効果的なライティングがしてあり、特に外国人にウケが良さそうな気がします。

茶室があるところなどから、もともと裕福な方の家だったのではないでしょうか。
資料館と間取りは違っており、また資料館の方が話しているこの辺り一帯の間取りとも違っているようでした。はっきりとは分かりませんが…。どうなんでしょうか

宿泊先の茅葺き住宅。延床面積200㎡とのこと。もっと広いと思う
エントランス部分。左手部分に階段や水廻りがある。
おそらく、もともとはそれら全部が土間で、竈があったのではないかと思う。


部屋と部屋がつながる続きの間や、床部分と土間部分の段差、二階床と急勾配の屋根のつくる狭くて魅力的な空間など、いまのハウスメーカーには無い空間がたくさんある。
そしてそれを本能的に察知してはしゃぎ回る子どもたち。


やはり一番素直に空間の楽しさ、気持ちよさを感じているようです。
オトナが気にする、使い勝手や動線、メンテナンスなどにとらわれず、気持いいかどうか?のみで判断するのが子どもです。
いやもちろん、使い勝手も大事ですよー。でもそれ以外も大事なんです!

エントランスから手前が前室、畳の部屋。左に見えるのが囲炉裏部屋。
囲炉裏から縁側を通って茶室に入る。茶室と畳の部屋も、続きの間でつながる。
土間と床とは、段差、仕上材によって空間として強く仕切られている。
子供はその境界を超えながら回遊することをとても好んでいる様子。
跳んだり走ったり、普段家のなかで出来ないことをしております
二階部分。畳を敷いて一つの居場所となっている。
手前にはソファーがあり、目線の高さの違う他の居場所になっている。
上部はハシゴを使って登るロフトになっており、妻部分に開口のみで照らされる
黒色の机、椅子、書棚が置かれ、非常に落ち着く。
暗くて床面積としては狭い場所ではあるが、空間自体は広く感じる。
他の二階部分と同じ屋根でつながっているからであろう。
「狭いけど広い場所」は、自分の設計のテーマでもあります。


スケール感や光量、段差による仕切り…など、かなりの部分が自分の設計と似ているに気付く。
しかし私の設計する家とこの茅葺き住宅は、表面的なカタチや素材がぜんぜん違っているのです。

そりゃあ、だれがみたって違う。違うのにその根っこの部分「人が居る場所、仕切り、居心地」の部分が似ているのが不思議でしかたない。

その根っこの部分が「和」なのかなー。
ここを伝えるのがムズカシイんだよなー。表面のデザインは簡単に伝わるんだけど。



そうして、建築模型をつくって覗きこんで、入ってくる光から空間を想像しながら、ウンウン唸っておるのです。そういう仕事のようです。



こどもたちはおにぎり。いつもよりモリモリ食べます。
オトナは囲炉裏。今回は猪鍋です。
隣の土蔵に向かうアプローチと、左手に鳥小屋。
烏骨鶏が一匹いました。
土蔵。
秘蔵というかんじです。
土蔵の中には水琴窟がある。
ここは本当に暗い空間で、扉を閉めると真っ暗でしょう。
子供が悪いことをすると、ここに閉じ込めるのでしょう。
いまの家にはなくなってしまった「陰」の場所です。
囲炉裏を囲んでみんなで朝食。
息子がオタマトーンを奏でております。
そのあとはもちろん、子どもたちによる奪い合いです。
子どもたちが終始たのしそうでした。

GW旅行1日目前半 茅葺きの里、美山にて 誤って乱入!

GWは京都に旅行しました。

1日目は、毎年恒例となっている「大学時代のルームシェア仲間と取りあえず集まる」の日。
毎年場所を変えているのですが、今回は京都府南丹市 美山町です。

茅葺屋根の家をまるまる一棟借り、囲炉裏を囲んで料理をしたりしよう、という目論見。

渋滞を避けるため早朝に出発し、福井県の小浜経由で入ることに。

水産センターにて。それにしても、どれも美味しそうで迷う!
のどぐろ、イワシ、ハタハタを買い、鯖、穴子の干物を買う。

囲炉裏で食べたい魚を何匹か購入し、美山町に到着。



とりあえずチェックインまで時間がある…。ということで


・道の駅で野菜を買う。
・道の駅で美山牛乳のソフトクリームを食べる。
・そして、地場の加工肉屋さんで、肉を買おう!
といういことでお店の場所に行ってみると…

「お店やさんじゃないよ」とのこと。

ちょっと情報が間違っていたようで、お店ではなく、お住まい兼加工場。
小売をしていないとのこと。

ショック!


道の駅で買うしか無いのか…とションボリしていると、
「せっかくだから、お茶でも飲んでいったら」とお誘いを受ける。

ずうずうしいワタクシは、迷わずのっかる。(本当にいいのだろうか?)

いろいろな方が作業をされているが、お話を聞くに、どうやら友人同士でパーティーをやっている様子。
どうやら、他人のパーティーに乱入している様です…。(本当にいいのだろうか???)


若干の遠慮をしながらもお話していると、

山椒のケーキ(辛くないが香り高い絶妙のバランス)、手作りの釜で焼く手作りパン(製菓の先生がつくる)、近江牛の希少部位のステーキ(一頭で二枚しかとれない)、などが続々と出てくる。

どれも一級品。

つまり、「これ、アカンやつや!」

どうやらかなりの高クオリティーのパーティーで、手土産などを全く用意していない状態で参加していい類のものではないことに気付き、ひたすら焦る!!


こどもとは、食べたいときに食べ、
遊びたいときに遊ぶもの。自由。
自然の中にいると、特にそうなるようです。

そしてそんな事を全く存じない無邪気な子どもたち…。


はー。オトナはツライよ、ホントに。(実際は美味しいばっかでツラくない)
まつだファームさん、皆様、ありがとうございました。


そんなこんなでGW京都旅行は幕を開けたのです。


自家製のかまど。かなり美しい造形でおどろく。
アーチ部分もレンガの組積造で、スケールがとてもいい。
パン生地。今まで見たことがないほど、粘っている。こねるのも困難。
知識がなければ「生地が失敗した」と思うはず。
さすがは製パンのプロ。絶妙のバランス。
たべる!それにしても図々しいぞ!
本当にいいのか??????
ひと通りいただいた後、レモンのグラニテにてシメ。
とにかく、終始一貫して家庭レベルを大きく超えている。
写真を取っていないものも多くあり、後悔です。

2015-05-02

柳津の住宅プレゼン

先日、柳津町の住宅のプレゼンテーションを行いました。
PCにトラブルがあったためプレゼン資料があまり作れなかったため、普段よりも大きな模型(1/50スケール)でつくりました。

堤防のすぐ横なので、境界部分は法面となっています。
(緑色の下草が生い茂って、とてもいい感じ。)

この法面を室内から取り込み、堤防上からの視線はカットするようなプランとしました。
喜んでもらってよかった!

南面隣地に大きな家が見下ろすように建っているため、開口を絞る。
南端にプライベート棟を配置し、中庭を挿入している
リビングからダイニング。左側に堤防の法面がみえる。
堤防から見下ろされるため、閉鎖的に
目隠しの塀を延長し、上からの目線をカット。
室内から一方的に利用できる庭となっている