大阪では安くておいしいものがあることは
前述のとおりですが、「高くて美味なるもの」もまた楽しむことができます。
京都に行くのが今回の目的でありながら足を伸ばして大阪まで来たのは、ひとえに、このレストランに来るためでした。
かなり感動的な体験をしましたので、長くなりますが書いてみたいと思います。
<レストランについて>
「
HAJIME Restaurant Gastronomique Osaka Japon 」と冠されたこのレストランは梅田のほど近く、肥後橋にあります。
店内は暗めで落ち着いた雰囲気…。
着席すると一枚の紙を渡される。そこにはシェフの米田肇さんのメッセージが入っていました。
「おいしい料理をつくります」とか「~から新鮮な食材を調達します」とかいった文句はそこには全く無く、「料理に関する考え方・姿勢」というようなものが書いてあります。
一流の芸術家、スポーツ選手、経営者、学者に共通する
「究極に完成度を高めること、そして、さらにそこを踏み台にして高みにのぼること」についての真摯な姿勢が読み取れます。
<料理について>
アミューズ1
コリアンダーを混ぜた生地で輪っかをつくり、その中に熟成させたヒラメをいれたもの。ゴマが降りかけられている。
一口食べると生地が壊れ、スパイスの香り、ゴマの香りが段階的にたちのぼり、トマトの酸味。のちに魚の旨味。生地の食感が軽快。温度も適正で魚の違和感が全くない。
一品目にしていろいろな感覚が引き出され、のちの皿が楽しみになります。
アミューズ2
一番底の部分に卵(生寄りの半熟)、その上に桃をつかったクリーム、上にアーモンド。混ぜて食べるとのこと。
黄身はものすごく濃厚で、まさに卵の黄身の味なのに、どこかさわやかでサラッとした印象をもってしまう。
アミューズ3
リードヴォーにサラダ菜のソース、上にはパルマの生ハムで作られた泡がのっている。
サラダ菜と言えば焼肉を巻くためのクサ、程度にしか思っていませんでしたが、ほどよい苦味と爽やかさが、リードヴォーの濃厚な旨みを引き立てます。
ミネラル
シェフのスペシャリテで、土のミネラルとして66種類の野菜が使わている。
上には海のミネラルである貝のエキスでできた泡。
野菜は、もちろん素材としてかなり美味しいのですが、温めるものは温める、冷たいものは冷たく、中間ぐらいのものは中間くらいの温度になっており、食べると各々の野菜がそれぞれの味をだすため、一口がとても楽しい。
ビーツのソースやカボチャのソースなど、多彩なソースが添えられていますが、それぞれが素材以外に何かが混ぜられており、複雑な味です。
野菜も探り探り、ソースも探り探りと、気を抜いて食べられない面白い料理です。
難しい顔をしながら食べているから、第三者からみたらとても楽しくなさそうなんだろう…。
とても楽しいんですが。探りすぎて、一皿食べるのに40分はかかったかも。
フォアグラ
本来の味を表現するため、0.1度単位で管理して火を入れたフォアグラ。その上に大根とマンゴーの薄切り、胡椒の粒が添えられています。
下にはクロカンノワゼットというキャラメルとアーモンドのタルトのようなものがあります。
フォアグラがとにかく濃厚で、まさにピュアな、フォアグラの味そのもの。
付け合せと同時に食べるとまた違う味で、香ばしさや甘み、酸味などはおいしいお菓子を食べているよう。
しかし、個人的にフォアグラが苦手なので残念。
フォアグラが好きな人は必ずや好きだと思います。
あとは肉料理とデザートですが、慣れないグルメレポートにエネルギー不足。
ちょっと休憩。
続きは次回で。
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